■探偵業の業務の適正化に関する法律 第164回 衆第25号 議案件名「探偵業の業務の適正化に関する法律案」は 平成18年5月25日に、衆議院 6月2日に参議院にて審議可決を経て 6月8日法律第60号「探偵業の業務の適正化に関する「法律」として公布されました。 第一条 (目的) この法律は、探偵業について必要な規制を定めることにより、その業務の運営の適 正を図り、もって個人の権利利益の保護に資することを目的とする。 第二条 (定義) この法律において「探偵業務」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって 当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他 これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいう。 2 この法律において「探偵業」とは、探偵業務を行う営業をいう。ただし、専ら、放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関(報道(不特定かつ多数の者に対して客観的事実を事実として知らせること をいい、これに基づいて意見又は見解を述べることを含む。以下同じ。)を業として行う個人を含む。)の依頼を受けて、その報道の用に供する目的で行われるものを除く。 3 この法律において「探偵業者」とは、第四条第一項の規定による届出をして探偵業を営む者をいう。 第三条 (欠格事由) 次の各号のいずれかに該当する者は、探偵業を営んではならない。 一 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ない者。 二 禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり 又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者。 三 最近五年間に第十五条の規定による処分に違反した者。 四 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員(以下「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者。 五 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号のい ずれかに該当するもの 六 法人でその役員のうちに第一号から第四号までのいずれかに該当する者があるもの 第四条 (探偵業の届出) 探偵業を営もうとする者は、内閣府令で定めるところにより、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)に、次に掲げる事項を記載した届出書を提出しなければならない。この場合において、当該届出書には、内閣府令で定める書類を添付しなければならない。 一 商号、名称又は氏名及び住所。 二 営業所の名称及び所在地並びに当該営業所が主たる営業所である場合にあっては、その旨。 三 第一号に掲げる商号、名称若しくは氏名又は前号に掲げる名称のほか、当該営業所において広告又は宣伝をする場合 に使用する名称があるときは、当該名称。 四 法人にあっては、その役員の氏名及び住所。 2 前項の規定による届出をした者は、当該探偵業を廃止したとき、又は同項各号に掲げる事項に変更があったときは、内閣府令で定めるところにより、公安委員会に、その旨を記載した届出書を提出しなければならない。この場合において、当該届出書には、内閣府令で定める書類を添付しなければならない。 3 公安委員会は、第一項又は前項の規定による届出(同項の規定による届出にあっては、廃止に係るものを除く。)があったときは、内閣府令で定めるところにより、当該届出をした者に対し、届出があったことを証する書面を交付しなければならない。 第五条 (名義貸しの禁止) 前条第一項の規定による探偵業の届出をした者は、自己の名義をもって、他人に探偵業を営ませてはならない。 第六条 (探偵業務の実施の原則) 探偵業者及び探偵業者の業務に従事する者(以下「探偵業者等」という。)は、探偵業務を行うに当たっては、この法律により他の法令において禁止又は制限されている行為を行うことができることとなるものではないことに留意するとともに、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない。 第七条 (書面の交付を受ける義務) 探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結しようとするときは、当該依頼者から、当該探偵業務に係る調査の結果を犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いない旨を示す書面の交付を受けなければならない。 第八条 (重要事項の説明等) 探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結しようとするときは、あらかじめ、当該依頼者に対し、次に掲げる事項について書面を交付して説明しなければならない。 一 探偵業者の商号、名称又は氏名及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名。 二 第四条第三項の書面に記載されている事項。 三 探偵業務を行うに当たっては、個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)その他の法令を遵守する ものであること。 四 第十条に規定する事項。 五 提供することができる探偵業務の内容。 六 探偵業務の委託に関する事項。 七 探偵業務の対価その他の当該探偵業務の依頼者が支払わなければならない金銭の概算額及び支払時期。 八 契約の解除に関する事項。 九 探偵業務に関して作成し、又は取得した資料の処分に関する事項。 2 探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結したときは、遅滞なく、次に掲げる事項について当該契約の内容を 明らかにする書面を当該依頼者に交付しなければならない。 一 探偵業者の商号、名称又は氏名及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名。 二 探偵業務を行う契約の締結を担当した者の氏名及び契約年月日。 三 探偵業務に係る調査の内容、期間及び方法。 四 探偵業務に係る調査の結果の報告の方法及び期限。 五 探偵業務の委託に関する定めがあるときは、その内容。 六 探偵業務の対価その他の当該探偵業務の依頼者が支払わなければならない金銭の額並びに その支払の時期及び方法。 七 契約の解除に関する定めがあるときは、その内容。 八 探偵業務に関して作成し、又は取得した資料の処分に関する定めがあるときは、その内容。 第九条 (探偵業務の実施に関する規制) 探偵業者は、当該探偵業務に係る調査の結果が犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いられることを知ったときは、当該探偵業務を行ってはならない。 2 探偵業者は、探偵業務を探偵業者以外の者に委託してはならない。 第十条 (秘密の保持等) 探偵業者の業務に従事する者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。探偵業者の業務に従事する者でなくなった後においても、同様とする。 2 探偵業者は、探偵業務に関して作成し、又は取得した文書、写真その他の資料(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。)について、その不正又は不当な利用を防止するため必要な措置をとらなければならない。 第十一条 (教育) 探偵業者は、その使用人その他の従業者に対し、探偵業務を適正に実施させるため、必要な教育を行わなければならない。
■リンク ・探偵業の業務の適正化に関する法律等の解釈運用基準について(通達) |